最近物忘れが・・・?最近よく聞く若年性認知症ってなぁに?

最近物忘れが・・・?
最近よく聞く
若年性認知症ってなぁに?

コロナ禍もあり、人と会うのが憚られる時代。
リモートワークで外に出かけるなど人と会う機会も減り、外食せず家呑みなどの機会が増えました。
そんな昨今ですが最近よく聞く若年性認知症。
これはどんな病気?教えて?折茂Dr.!

Q.
若年性認知症とはなんですか?
一般に、認知症は加齢による脳の変化に伴い高齢者に多くみられますが、65歳未満で発症したものを若年性認知症と診断します。
平均の発症年齢は51歳前後です。
Q.
原因は?
  1. アルツハイマー型が約半数を占めます。
  2. 血管性(脳梗塞や脳出血によるもの)が約17%です。
  3. 前頭側頭型認知症(前頭葉や側頭葉の脳委縮によるもの)が10%弱です。
  4. 頭部のケガ(脳挫傷)などでも認知症を発症する場合があります。
Q.
どんな症状?
  1. 短期記憶障害:仕事上のミスや約束事を忘れるなど。比較的新しい記憶が薄れます。
  2. 見当識障害:日時や場所、人の顔などを正確に認識することが難しくなります。
  3. 理解力・判断力の低下:お金の計算や運転中の判断が鈍くなるなど。
  4. 実行機能障害:料理手順や公共交通機関の利用など、物事を順序立てて実行することが困難になります。
  5. その他には、不安や抑うつ、妄想、幻覚などの症状が出る場合もあります。
    (気になる症状がある場合は次に説明する神経心理学検査で確認が必要です。)
Q.
思い当たる症状がある場合はどのような検査をしますか?
神経心理学検査(HDS-R、MMSEなど):質問や簡単な作業・計算を行って頂き、認知機能を評価する検査です。
脳画像検査(MRI、VSRAD、SPECTなど):脳の画像を撮影し、脳の萎縮や血流を調べる検査です。
Q.
治療法は?
現在、認知症に対して根本的な治療薬はありませんが、病状の進行遅延や症状改善を目的に薬物療法(アセチルコリンエステラーゼ阻害薬、NMDA受容体拮抗薬)が行われます。
また、非薬物療法としては回想法・音楽療法・リアリティーオリエンテーション・運動療法などがあり、心身のリラックスや身体機能改善を目的に行われます。
Q.
予防法は?
一部のアルツハイマー型認知症など遺伝的な要因が関与しているものには有効な予防法がありませんが、過度の飲酒・喫煙、食習慣の悪化、運動不足、過度のストレスは認知症のリスクと考えられています。
特に、血管性認知症は生活習慣病と密接に関連しますので、まず血圧・コレステロール・血糖値に注意し、定期的な運動習慣を身に付け、過度の飲酒は避けるようにお願いします。
折茂 政幸 
Masayuki Orimo
ウェルネス宮前クリニック 院長
千葉大学大学院修了
医学博士
専門 循環器内科
ヒトの身体は自然の摂理に従っていると僕は考えます。
普段の食事や体を動かすこと、十分な睡眠と過度のストレスを避けることが健康にとってとても大切で、何気ない日常の積み重ねが普段の体調や病気のリスクに大きく影響します。
また、個々の特性、体質はそれぞれ異なりますから、他の方と同じ方法では改善しないことがあります。適切な医学情報をお伝えし、一人一人の体質に合った治療を目指しています。