【コラボ企画・第1回】日本の三大死亡原因の2つが動脈硬化。まずは血液検査から。この結果で何がわかるの?

【コラボ企画・第1回】
日本の三大死亡原因の
2つが動脈硬化。
まずは血液検査から。
この結果で何がわかるの?

日本人の三大死亡原因はがん・心臓疾患・脳血管疾患です。中でも心臓疾患(狭心症・心筋梗塞など)や脳血管疾患(脳卒中)は動脈硬化によって起こります。かつて、動脈硬化は高齢者の病気でしたが、1970年代にファストフードが日本に上陸し、その後もファミリーレストラン、コンビニなどが普及したことも一因となり、現代の私たちアラフィフ世代以降は生まれた時から動脈硬化になり易い環境で生活しているのだそう。また、運動不足も動脈硬化を若年齢化させる要因となっている様です。

後の安心のためにも40歳を過ぎたら動脈硬化のリスクについて検査をしておくと良いとのことですよ。

さて、私たちの体、どうなってるの?教えて?折茂Dr.!

Q.
動脈硬化検査はどんな方におすすめ?
  • 女性ならお菓子作りや甘いものが好きな方
  • 動脈硬化のリスクが高まる更年期(閉経後)以降の方
  • 健康診断で脂質異常が見つかった方
  • 男女問わず高血圧の方

と言うわけで、コンシダーマルメールマガジン編集部のアラフィフ女史2名NとYは健康診断で悪玉コレステロール値(LDL)が高いと言われた、動脈硬化のリスクが上がる更年期世代。食事・運動不足・ストレス…。生活習慣は思い当たることばかり!現在のところ、私たちはどんな状態なのかが気になったので調べていただきに、ちょっぴり緊張しながら折茂先生のクリニックへGO!

田園都市線の宮前平の駅から徒歩7~8分。清潔感のあるクリニックに入ると親切で丁寧な受付スタッフの方が笑顔でお出迎えしてくださり、ホッ。

完全予約制なので、混むことなく感染症予防対策もバッチリだから安心。

まずは診察室でそれぞれ折茂先生から日頃の体調や生活習慣などの問診と血圧測定。


続いて、血液検査です。

Q.
血液検査をする目的はなんですか?
大まかな病気のリスクを予測するためです。脂質異常や血糖値上昇、尿酸高値あるいは肝機能障害などがあれば動脈硬化のリスクが高いと言えます。
Q.
血液検査でわかることは?
  • 脂質(LDLコレステロール、HDLコレステロールと中性脂肪)
  • 血糖値とHbA1c
  • 肝機能
  • 腎機能および尿酸値
一般的に動脈硬化に関する項目としては上記を調べます。
Q.
どんな項目を調べてくれましたか?
  • 魚の摂取量を調べるEPAとDHA
  • 動脈硬化に影響するオメガ6脂肪酸であるアラキドン酸
  • 腸悪玉コレステロールと言われるレムナントリポ蛋白
  • 更年期の影響をみるエストラジオール(女性ホルモン)
  • 脂質異常に影響する甲状腺ホルモン
なども動脈硬化に関連するので調べておきました。

なんとこの検査で普段どんなものを食べているかもわかってしまうそう。

キャー!怖いwww

採血をしてくださったのはベテラン看護師さん。談笑している合間に手際よく血管に針を刺し、チクリともせずあっという間に採血完了。採血が怖いという方いますよね。上手な方にやっていただけると痛み皆無です。こればかりは運かも?


~数日後~


検査結果が出ました!

わー。ショック。やはり二人とも悪玉コレステロール(LDL)が高いそう。うーん。随分前から言われているけど、全く改善されてない・・・。同年代でも結果がそれぞれに違いました。でもこの悪玉コレステロールや善玉コレステロール(HDL)ってどんな働きをしているのかしら?どんな生活でこの数値は上下するの?

血液検査結果で見る
私たちの動脈硬化リスクは?

【編集部Nの総評】
LDLコレステロールが高値であることと女性ホルモンのエストラジオールが低値です。女性ホルモンの低下によりLDLコレステロールが高くなりますので、更年期による影響の可能性が考えられます。動脈硬化を促進するアラキドン酸やレムナントリポ蛋白は多くなく、青魚に多く含まれるEPAは適量ですので、食習慣に関してはこのままで良い様です。ただし、LDLコレステロール高値については念のため頚動脈のチェックを行っておきましょう。
N:
わわわ。そうなんですね。でもちょっと安心しました。
【編集部Yの総評】
肝機能の数値であるγ-GTがやや上昇しています。中性脂肪も高めです。共通するのはアルコールの影響が考えられます。LDLおよびHDLコレステロールについては基準値内で、HDLコレステロールはむしろ高めです。一般に、「善玉」と呼ばれるHDLコレステロールですが、多すぎる方はかえって動脈硬化になり易いことがあります。これはHDLコレステロールの「働き」に関係することなのですが、単にHDLコレステロールが多いから安心と思わないことが大切です。年齢的にエストラジオールが低下してきているため、やはり動脈硬化には注意が必要です。EPAは多めでお刺身などをよく食べていらっしゃるようです。レムナントリポ蛋白がやや多めですので加工食品の摂取が多いかも知れません。
Y:
普段からお酒も飲むし、エビや唐揚げが大好物。生活習慣が血液検査でこんなに透けて見えてしまうなんて驚き!

Q.
各項目の関係性は?悪玉・善玉・中性脂肪の因果関係は?LDLを下げてHDLを上げる方法はEPAを上げてAAを下げる食生活をすること?
LDLとHDLコレステロールのバランスは遺伝的な体質が大きく関係しています。食事に気を付けてもLDLが高い方がいる一方で、特に食事を意識せず数値に問題ない方もいます。ですが、動脈硬化への影響に関しては、食事の注意を行って頂くことが望ましいです。肉類などの飽和脂肪酸の摂取が多くならないように。HDLコレステロールを増やすには定期的な運動が必要です。中性脂肪は甘い物、アルコールの過剰摂取に注意。揚げ物や加工食品が多くなるとアラキドン酸(AA)やレムナントリポ蛋白が増えてしまいます。反対に、青魚などの刺身は不飽和脂肪酸であるEPAを摂取出来ますので、肉料理を控えて魚料理のメニューを増やして頂くと良いです。
Q.
血液検査の結果が良いのに動脈硬化が隠れていることは?
コレステロールや中性脂肪の数値が基準値内でも動脈硬化が進んでいる方がいます。これは血液検査で分かること以外の要因、例えば体質などが関与しているからです。先ほどお話したHDLコレステロールが高い場合も、一般的に問題ないと考えがちですので注意が必要です。健康診断で特に異常がない場合にも、50歳前後になったら一度、脳ドックや動脈硬化ドックなどで現在の動脈の状態を確認しておくことが早期発見の近道です。
Q.
その逆で結果が悪いのに動脈硬化ではない場合は?
皮下脂肪型肥満がありLDLコレステロールが非常に高くても、特に閉経前の女性の場合には、ほとんど動脈硬化が見られないことがあります。ただし、これは動脈の状態を実際に調べてみないと分かりません。
今回、お二人とも脂質に軽度の異常があることが分かりましたので、頸動脈エコーで動脈硬化の状況を確認してみようと思います。

なるほど。健康診断で行う血液検査の結果は、ここまで細かく各項目の相互関係まで説明してはもらえません。結果は一見良さそうでも、実は病気のリスクが隠れていることもあるんですね!私たちの不安をどんどんお話しして、折茂先生のわかりやすく丁寧な説明をいただいた後、次はついに頸動脈エコー検査です!一体どんな検査なのか?その結果は?!(次号に続く)


これまでの“教えて?折茂Dr.!”のアーカイブはこちら。 https://considermal.jp/category/dr/

折茂 政幸 
Masayuki Orimo
ウェルネス宮前クリニック 院長
千葉大学大学院修了
医学博士
専門 循環器内科
ヒトの身体は自然の摂理に従っていると僕は考えます。
普段の食事や体を動かすこと、十分な睡眠と過度のストレスを避けることが健康にとってとても大切で、何気ない日常の積み重ねが普段の体調や病気のリスクに大きく影響します。
また、個々の特性、体質はそれぞれ異なりますから、他の方と同じ方法では改善しないことがあります。適切な医学情報をお伝えし、一人一人の体質に合った治療を目指しています。