血流をアップ。暑い夏を乗り切ろう!

血流をアップ。
暑い夏を乗り切ろう!

7月。気温の上昇に伴い、汗などによる水分の喪失(これを不感蒸泄と言います)に注意が必要です。水分が不足すると血液をはじめ体液量の減少に繋がり、皮膚や全身の臓器に血流が不足することになります。また、血液が凝固するリスクも高まりますので、血栓症(血液が固まり血管を詰まらせる病気。例:心筋梗塞・脳梗塞など)にも注意が必要です。
肌への影響としては、新陳代謝が低下、老廃物が蓄積し易くなり、色素沈着や湿疹、浮腫の原因になります。

こんな症状があったら要注意!

口渇感:水分が不足することによりまず感じる自覚症状です。
唇や皮膚の乾燥:唇がかさつき、皮膚は弾力が失われ、しわが目立つようになります。
尿量の減少:水分が不足しているのに通常通りの尿が出てしまうと、さらに水分不足を助長することになりますので自然と減少します。あまりトイレに行かないという時は既に水分が不足しています。また、尿の色が濃くなります。
心拍数の増加:さらに水分量が減少すると、血液循環を補うために心拍数が増加します。この段階になるとめまいや吐き気、全身の脱力感、意識が鈍くなるなどの症状が出現します。
❺めまいや立ち眩み、肩こり、便秘なども水分不足や血行不良で起こります。

改善法

❶ 普段から水分補給をしましょう。
食事以外に1日およそ1500ml程度の水分摂取が必要です。暑い日に限らず、普段からこまめに摂取する習慣を身に付けて下さい。
❷ 外気温・室温に注意しましょう。
気温が高い日は外出時間が長くならない様に注意して下さい。室温についても時々確認して頂くと良いです。
夏野菜には体を冷やす効果があるものが多いです。スイカやキュウリなどはほとんどが水分ですから、夏に食べるのが自然の理にかなっています。
❹ エアコンの冷やし過ぎに注意しましょう。
過度の冷えは皮膚の血管を収縮させ、末梢の血液循環を悪くします。
❺ 定期的な運動をしましょう。
運動による筋収縮が血行を促進します。特に、筋肉量が少ない方は筋力アップを意識した筋トレがましいです。ただし、暑い日に長時間の屋外での運動にはご注意下さい。運動前後の水分補給も忘れずに。

折茂 政幸 Masayuki Orimo ウェルネス宮前クリニック 院長
千葉大学大学院修了
医学博士
専門 循環器内科
ヒトの身体は自然の摂理に従っていると僕は考えます。
普段の食事や体を動かすこと、十分な睡眠と過度のストレスを避けることが健康にとってとても大切で、何気ない日常の積み重ねが普段の体調や病気のリスクに大きく影響します。
また、個々の特性、体質はそれぞれ異なりますから、他の方と同じ方法では改善しないことがあります。適切な医学情報をお伝えし、一人一人の体質に合った治療を目指しています。