これが気象病。梅雨の時期に体調がすぐれないわけ。

これが気象病。
梅雨の時期に体調が
すぐれないわけ。
ご愛用者Kさんからのご相談です。

梅雨の季節になるとクヨクヨしてしまったり
眠れないことも。なんだかだるいし頭痛がしたり。
どうやって対処したらいいですか?

梅雨期待によく起こる体調がすぐれないその原因は?

天候や気圧、気温の変化などによって引き起こされる諸症状を「気象病」と言います。
特に、気圧の変化によるものを「低気圧不調」と呼びます。気圧の変化が内耳を経由して脳に過剰に伝わることが原因の一つと考えられています。これには個人差が大きく、少しの気象の変化でも敏感に反応する方と、ほとんど影響を感じない方がいます。
頭痛や関節痛などの痛み、めまい、倦怠感、吐き気、眠気など症状が代表的です。

クヨクヨしやすいのはどうして?

日照時間とうつ傾向にはある程度因果関係があると考えられていますが、雨などで外出が制限されるため、
買い物など上手な気分転換が出来ない↓
身体を動かす機会が減る

家の中でつい考え事をしてしまう
、ということが考えられます。クヨクヨ悩んでしまっている時は忙しく身体を動かしましょう!

気象病にならないようにするには?

気圧や気温の変化に対して、身体は自律神経をフル活用して対応します。この対応が間に合わないと体調を崩してしまいます。出来るだけ自律神経に負担をかけないためには家の中に居ながら事前に身体へ外の環境を知らせる工夫で、身体の負担が軽減されます。

昔の日本家屋が優れていたのは
家の中に自然を取り込む工夫がなされていたこと。
ですが、現代家屋は気密性が高く厳重なサッシで外界と隔絶されてしまっています。

梅雨の時期には3つのことを
心がけましょう。

❶ 外の天候と室内の差を少なくすること。例えば、エアコンの設定温度はその日の天気や気温に合わせて変更します。冷やし過ぎ・暖め過ぎは注意して下さい。
❷ 窓を開け外気を取り入れ身体を慣らしましょう。
❸ 湿度も影響します。エアコンをドライにしたり、除湿器を使用するのもおすすめです。

薬を飲むのはなんとなく抵抗が。おすすめの漢方はありますか?

気象病が起こるような身体の状態を、漢方では全身の水の巡りが悪い状態「水滞(すいたい)」と呼びます。水分バランスが悪いと考えて頂くと分かり易いと思います。過剰な水分が血管を拡張し頭痛の原因に。また、内耳の圧に影響しめまい・吐き気を起こすことも。足に水分が停滞すると浮腫みになります。水の巡りを良くする漢方薬としては、五苓散(ごれいさん)や苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)を使用します。

※漢方薬は、医師や薬剤師に相談の上使用しましょう。

折茂 政幸 Masayuki Orimo ウェルネス宮前クリニック 院長
千葉大学大学院修了
医学博士
専門 循環器内科
ヒトの身体は自然の摂理に従っていると僕は考えます。
普段の食事や体を動かすこと、十分な睡眠と過度のストレスを避けることが健康にとってとても大切で、何気ない日常の積み重ねが普段の体調や病気のリスクに大きく影響します。
また、個々の特性、体質はそれぞれ異なりますから、他の方と同じ方法では改善しないことがあります。適切な医学情報をお伝えし、一人一人の体質に合った治療を目指しています。