心臓の機能を知ろう!「心臓弁膜症」について。

心臓の機能を知ろう!
「心臓弁膜症」について。

心臓弁膜症という言葉をテレビコマーシャルで知りました。

加齢によって起こる病気という印象ですが、どんな人がなるか、原因は?治るもの?教えて?折茂Dr.!

Q.
少し前にコマーシャルでしきりに出てきた心臓弁膜症って何ですか?
心臓には4つの弁(扉のようなもの)があります。これは血液を効率よく循環させるためにあるものです。心臓弁膜症はこの弁が閉鎖不全(上手く閉じなくなる)あるいは狭窄(開きが悪くなる)によって機能異常をきたした状態です。
Q.
若い人、子供でもなるもの?どんなことで見つかるの?
若い方やお子さんの場合は先天性のものがほとんどで新生児期にエコー検査で診断されます。新生児期に異常が分からなかった方は、学童期の健康診断で心雑音として偶然発見されることが多いです。先天性の大動脈二尖弁(だいどうみゃくにせんべん)という疾患はおよそ100人に1人の頻度で比較的多くみられます。弁膜症と診断されたら、定期的にエコー検査を受けてください。
Q.
症状はあるのですか?原因は?
軽度から中等度までの弁膜症はほとんど自覚症状がありませんが、弁膜症は不整脈の原因になるので動悸を感じる方がいます。進行すると息切れ・疲労感・めまいなどを引き起こします。高血圧症や動脈硬化が原因となり、加齢と共に進行します。生活習慣病のある方は念のため心臓の検査をして頂くことをお勧めします。またどなたにも抜歯後の感染症によって弁が破壊され発症することもあります。歯を抜いたあとの抗生物質はしっかりと飲んでください。
Q.
手術が必要な場合どんな方法がありますか?
弁膜症は内服薬で治療することが出来ません。軽度から中等度の弁膜症を指摘された場合には定期的にエコー検査で進行の有無を確認します。動機や息切れなどの自覚症状がある方や自覚症状がなくても最重症の弁膜症は手術が必要です。以前は開胸術と言って胸の骨を切る手術が一般的でしたが、現在はカテーテルやロボットを使用した手術があります。身体の負担が少なく、傷も目立たない治療を行うことが出来ます。

・・・編集部より・・・

心臓弁膜症というと、加齢によって起こる病気という印象だけが残っていましたが、お子さんでも生まれつき持っている方もいらっしゃる。ただ、恐れることなく、定期的なエコー検査を受けて様子を見ていくことが大事ということなんですね。そして、驚いたのは歯を抜いたあとの細菌によって心臓弁膜症のリスクがあるということでした。病院で処方される抗生物質などのお薬にはそういった大病の予防の意味もあることを知りました。きちんとお薬は飲みたいですね。

/// お知らせ ///

『教えて?折茂Dr.!』のコーナーでは皆さんからの質問、ご相談を募集しています。健康のお悩み、身体やお肌の心配事などお寄せください。
ご相談はInstagramをフォロー&いいね!の後DMへ質問、ご相談内容をお送りください。

コンシダーマルは皆様の美容と健康を応援します!

折茂 政幸
Masayuki Orimo
ウェルネス宮前クリニック 院長
千葉大学大学院修了
医学博士
専門 循環器内科
ヒトの身体は自然の摂理に従っていると僕は考えます。
普段の食事や体を動かすこと、十分な睡眠と過度のストレスを避けることが健康にとってとても大切で、何気ない日常の積み重ねが普段の体調や病気のリスクに大きく影響します。
また、個々の特性、体質はそれぞれ異なりますから、他の方と同じ方法では改善しないことがあります。適切な医学情報をお伝えし、一人一人の体質に合った治療を目指しています。