Vol.3 敏感肌化粧品の開発

敏感肌化粧品の開発
1970年森川藤凰医学博士がハーバード大学から帰国され資生堂研究所で取り組み始めた研究が今でいう 「敏感肌用化粧品」 でした。
化粧品原料における数々の皮膚安全性テストを実施、それは今ある化粧品の礎となる研究開発でした。同時期、資生堂研究所で化粧品開発に従事していたのが30代前半の鈴木喬先生(現・皮膚臨床薬理研究所所長)です。森川・鈴木両先生が共同開発された世界初「敏感肌用化粧品」はブランド化され1971年資生堂よりリリースされました。

皮膚臨床薬理研究所株式会社
所長 鈴木喬

鈴木先生はその後、*1非水乳化法という乳化技術で特許を取得(特許番号 1168220 US 04254104)、多くのより安全な化粧品を開発発表されています。
1990年中盤、鈴木先生は資生堂退職後、森川先生が立ち上げた皮膚臨床薬理研究所(Hifuken)に新天地を求め新たな研究開発に携わって行きます。そのひとつが *2液晶乳化法です。これが現在のラメラ技術を用いた化粧品開発、世界特許「液晶乳化組成物の製造方法」(特許番号3987551・3987552 US 7534369 EP 1801184・EP 1801185)につながって行きます。

森川先生は90年代後半にこのような予言めいた言葉を遺しています。

「研究者たちのこれからの課題は
表皮脂質とそっくりの構造(ラメラ構造)を持つ

クリームを開発する事だ。
まさに21世紀の化粧品になる」と。

その頃、既に鈴木先生は この構造を持つローションの完成に取り組んでいました。 ドクターズコスメの先駆けとして人知れず、*3 液晶乳化技術を駆使した「コンシダーマル・ミルク・ローション」(現・コンシダーマル・オールインワン・ローション)がリリースされたのは西暦2000年、今から20年前のことでした。続く。

*1 水をほとんど使わずに油分を保湿剤の中で乳化(分離しないように混ぜ合わせる)させた後、水を加えて製品化する特殊な方法です。

*2 成分を乳化させる際、乳化粒子をナノサイズよりも更に細かくし、水と油が層状となる液晶(ラメラ)構造を作りだす製造技術。この製法により、肌なじみよくなめらかで油分のベタつきを感じさせない使用感を実現、化粧品は「油分で蓋をするもの」から「浸透させるもの」へと大きな変革を遂げました。

*3 液晶乳化技術が現在のラメラテクノロジー®です。

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