体型や顔つきが変わった?「知らぬ間に進行している骨粗相症」

体型や顔つきが変わった?
「知らぬ間に進行している
骨粗相症」

生活習慣病や癌に比べると骨の健康について意識している人は少ないように感じます。

実は知らぬ間に進行しているという骨粗相症。どうしてなるの?教えて?折茂Dr.!

Q.
歳を重ねると骨がもろくなると聞きます。特に女性はその傾向に強いそうですがそれはなぜですか?

男性と比較し女性の骨格は小さく華奢であるためもともと骨量が少ないこと、運動量や筋肉量が少ないこと、体重が少ないこと、更年期の急激なエストロゲンの減少などが原因です。

Q.
どんな状態が「骨がもろい」と言うのでしょうか?

骨の強さは「骨密度」」と「骨質」が関係します。骨密度はカルシウムやリンなどのミネラルが含まれている程度を表します。骨質とは文字通り骨の質のことで、コラーゲン繊維などで構成される骨の土台のことです。骨密度の低下あるいは骨質の悪化どちらの状態も「もろい骨」ということになります。

Q.
骨がもろくなるとどんなことが起こりますか?

骨がもろくなると、転んで手をついただけで手首を骨折したり、つまずく程度の転倒で大腿骨を骨折したり、しりもちをついて背骨を圧迫骨折することになります。50歳代女性の10人に1人が骨粗鬆症と言われますので、50歳を迎えたら検査を受けて下さると良いです。骨密度の測定法はいくつかありますが、デュアルエネルギーX線吸収法(DEXA)のよる腰椎と大腿骨の骨密度測定が最も信頼性の高い検査法です。お近くの整形外科でDEXA(デキサ)を受けられますかと確認して下さると確実です。検査結果が若年成人平均値(YAM)の70%未満であれば骨粗鬆症と診断されます。

Q.
骨粗相症の多くが無症状と聞きます。美容の観点からも気をつけたいサインはありますか?

肌と同様に骨にもターンオーバーがあり、全身の骨はおよそ4年で新しく入れ替わります。実は普段見慣れている顔の骨は、皮膚が覆っていて変化は直接見えませんが、 4年前とは全く違っているのです。 従って、しっかりした骨が形成されないと顔つきが変わってしまいます。フェイスラインが変形したり、眼の窪みが目立ったり、ほうれい線や口元のシワが目立つようになります。

Q.
骨の健康を保つためにどんなことをすればいいですか?

重要なのは

①運動。積極的にカルシウムを摂取しても運動を行わないと骨は強くなりません。有酸素運動だけでなく筋力トレーニングが効果的です。ウォーキングよりランニング、縄跳びや階段昇降など骨に適度な衝撃が加わる運動が望ましいです。

②体重が少ないことは骨密度を低下させますので、特に若い頃にやせ過ぎない様に注意して下さい。現在、体重が少ない方は骨密度が低下している可能性がありますので、一度骨密度の確認をお願いします。

③骨形成にはビタミンDが必要です。皮膚でビタミンDを作るため1日20分程度の日光浴やビタミンDを多く含む食品(魚類やきのこ類)を摂って下さい。

先日、外来で血液検査をした方はビタミンDが低値でしたので、普段の生活だけでは不足している可能性があります。

・・・編集部より・・・

コンシダーマル世代は気をつけたい骨粗相症。知らぬ間に「もろい骨」にならないように日頃の運動や食事のバランス、そして今の状態を知ることは大切。体調の変化に何事もなければなかなか調べない骨密度ですが、健康診断のオプションで選べることもありますし、かかりつけ医や整形外科などに相談すると検査をしていただけます。早めの予防、対策をして骨折をしないように、そして美しく健康に暮らしましょう。

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折茂 政幸
Masayuki Orimo
ウェルネス宮前クリニック 院長
千葉大学大学院修了
医学博士
専門 循環器内科
ヒトの身体は自然の摂理に従っていると僕は考えます。
普段の食事や体を動かすこと、十分な睡眠と過度のストレスを避けることが健康にとってとても大切で、何気ない日常の積み重ねが普段の体調や病気のリスクに大きく影響します。
また、個々の特性、体質はそれぞれ異なりますから、他の方と同じ方法では改善しないことがあります。適切な医学情報をお伝えし、一人一人の体質に合った治療を目指しています。