ストレスは老化の原因?! 2つの対処法

さらに折茂Dr.に聞く

歳を重ねて自分に起こる体調の変化や、家族や友達などの人間関係、仕事・社会に感じる「ストレス」。イライラや不安事があるとついお菓子や甘いものを食べ過ぎてしまうことも。
実はお肌や体の老化と密接な関係があるとご存知ですか?今回は体の「酸化」と「糖化」についての原因と対処法。どうしたらいいですか?教えて?折茂Dr.!!

ストレスと老化の関係を教えて?

ヒトの身体を細胞の集合体と考えると、一つ一つの細胞が老化したら全体として機能が低下することは想像しやすいと思います。ストレスを感じるとストレス物質が体内に放出され、細胞を傷つけます。また、体外からストレス物質を摂取することでも細胞が損傷を受け、老化が進みやすくなります。つまり、 体内と体外のストレス物質を両方減らす ことが老化を遅らせる秘訣です。

どうやったらストレス物質を減らすことができるの?

☆体内では、過度な肉体的・精神的負担がストレス物質(ストレスホルモン)を増加させます。
従って、日々の運動でストレスに負けない体力を作る「肉体的強化」、心理的には悩んでも解決しないことは明日の風に任せるくらい気楽に考える「精神的強化」が必要です。

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肉体的強化にはこれ!

運動量については個人差があるので、大切なことは段階的に行うことです。運動習慣がないのに急に無理なスケジュールを立てず、達成出来たら少しずつ量を増やしていくこと。

ウォーキングなら15分やってみて体に余裕があれば20分、30分と増やしましょう。

軽く息が切れる程度のスピードで行いましょう。
※ゆったりのんびり散歩したのでは効果がありません。余裕があれば普段より速足で歩く、普段より大股で歩くなど。)

インターバルで行う方が疲れないので、ウォーキング中に1分間早歩きして疲れたら元に戻す、1分間大股で歩いて疲れたら歩幅を戻す。数分後にもう一度繰り返すなどです。時間に決まりはないのでいろいろやってみて少し息が切れてトレーニングになったなぁと感じられるといいですね。

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精神的強化にはこれ!

悩み事や心配はコルチゾールという副腎から出るストレスホルモンを増やします。悩み事や心配事があった場合には、一番都合がいい(※心配が少なくなるような)解釈をするように心掛けましょう!
例えば、恋人や夫、家族など大切な人と連絡が取れない場合。
一番心配な解釈が大きな事故にあって命の危険があるのではと考えてしまうとすると、一番都合がいい解釈は「たまたま手元に電話がなくて連絡できない、そのうち連絡が来るだろう」という風に解釈する習慣をつけるということです。これはトレーニングによって早く上手な解釈が出来るようになります。普段から訓練しましょう。

☆体外に対してはストレス物質の摂取を減らすこと。キーワードは「酸化」と「糖化」。酸化は加工食品など酸化(劣化)した食べ物の過剰摂取により起こります。糖化は食事などから摂った余分な糖質がタンパク質と結びつくこと(メイラード反応)で起こります。糖化は細胞を老化させ、直接的な肌のシミやたるみの原因になります。

最近よく聞く糖化。原因はなんですか?

血糖値が高いことが糖化の原因です。糖尿病の方はもちろん、糖尿病でなくても急な血糖上昇が原因なので、早食いや甘い物を多く食べる方は注意が必要です。基本的に砂糖(精製糖)入りのお菓子類、砂糖入りの缶コーヒー、清涼飲料水などは糖化しやすくなります。もともとヒトの身体が処理できるのは果物やイモ類など自然に存在する甘味なので、砂糖を多く含む食品などのように過度に甘い物は身体(膵臓)に負担がかかります。

POINT

「糖化」を抑えて血管や肌の老化を遅らせるには、「血糖値を上げ過ぎない」こと!

過剰な糖質(特に精製糖・液糖を多く含む食品)を食事のメニューから外す
→甘い物(精製糖を使ったお菓子類)、砂糖入り缶コーヒー、清涼飲料水など

食事は30分以上かけてゆっくり摂る(早食いは糖化を促進します)

食べる量を控える(食べ過ぎは老化を促進します)

食後はのんびりしないですぐに活動する

これは、ダイエットや糖尿病の管理にも有効な方法ですので、普段の生活に是非取り入れてみて下さい。

折茂 政幸 Masayuki Orimo ウェルネス宮前クリニック 院長
千葉大学大学院修了
医学博士
専門 循環器内科
Masayuki Orimo ヒトの身体は自然の摂理に従っていると僕は考えます。
普段の食事や体を動かすこと、十分な睡眠と過度のストレスを避けることが健康にとってとても大切で、何気ない日常の積み重ねが普段の体調や病気のリスクに大きく影響します。また、個々の特性、体質はそれぞれ異なりますから、他の方と同じ方法では改善しないことがあります。適切な医学情報をお伝えし、一人一人の体質に合った治療を目指しています。