美容的観点からも 帯状疱疹は 予防がおすすめ |
美容的観点からも帯状疱疹は予防がおすすめ。 |
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Q.
世の中にあるワクチンの種類を教えて?
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お子さんの頃に接種する麻疹・風疹、水痘ワクチン、百日咳・ジフテリア・破傷風、ヒトパピローマウイルスなどの定期接種ワクチンがありますが、今回は成人の任意接種ワクチンについてお話します。新型コロナワクチンは現在定期接種が勧められていますが、テレビのCMなどで耳にしたことがある肺炎球菌ワクチン、帯状疱疹ワクチンがポピュラーになっていますね。コンシダーマル世代に当てはまるので帯状疱疹ワクチンについて解説します。
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Q.
帯状疱疹とはなんですか?
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帯状疱疹とは、子供のころに罹患した水疱瘡(みずぼうそう)のウイルス(VZウイルス)が再活性化することで発症します。水疱瘡が治癒するとVZウイルスは脊髄の神経節に潜伏しますが、疲労や加齢、ステロイド服用などによる免疫力の低下で発症し、痛みと共に皮膚の片側に赤い発疹が出現し帯状に広がります。発疹出現後3日以内に適切な治療を受けて頂くと1週間ほどで軽快することが多いですが、初期の症状が重症な場合や放置した場合は「帯状疱疹後神経痛(PHN)」という状態に進行することがあります。
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Q.
帯状疱疹後神経痛という後遺症があるんですね。
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帯状疱疹後神経痛はVZウイルスにより神経が破壊されて皮疹が治まっても痛みが持続するものですが、20%程度の方は痛みが1年以上続き、その後も痛みが残り非常に辛い思いをされる方もいます。また、首や顔に現れて発疹の治りが悪いと、色素沈着として跡が残ってしまうこともあります。
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Q.
コンシダーマル世代に帯状疱疹ワクチンが推奨されるのはなぜですか?
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前途の美容的な側面もありますが、帯状疱疹の発症率は50歳を過ぎると急激に上昇し、80歳を過ぎると3人に1人が経験すると言われます。年齢的な免疫力の低下が関連していると考えられているため、50歳以上の方を対象にワクチン接種が推奨されています。
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Q.
帯状疱疹ワクチンとはどんなものですか?
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帯状疱疹の予防には2種類のワクチンあります。これまで接種が行われていた弱毒化生水痘ワクチンと最近CMで耳にする不活化ワクチンのシングリックス®です。
①水痘ワクチン・・・ 発症予防効果は50~60%、帯状疱疹後神経痛の減少率は60%と言われています。効果は5年ほどです。 ②シングリックス®・・・ 発症予防効果は50歳以上で97.2%(70歳以上では89.8%)、帯状疱疹後神経痛の減少率は50歳以上で100%(70歳以上では85.5%)と非常に効果的です。シングリックス®は予防効果を高めるため2か月間隔で2回の接種が必要です。効果は少なくとも10年持続すると言われています。 高齢者や女性の方は帯状疱疹後神経痛に移行しやすいと考えられていますので、50歳を過ぎたら接種をお勧めします。 |
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・・・編集部より・・・ 私たちは体調の変化や社会的・日常的にも様々なストレスを受けやすい世代。また免疫力の低下も実感しやすくなります。コンシダーマル世代の編集部は早速、折茂先生のクリニックへお邪魔してシングリックス®の接種を受けました。 注射自体全く痛みはありません。夜から接種した部分に筋肉痛のような感じがありましたが、3日ほどでなくなりました。また、熱が出る方もいらっしゃるようですが、編集部の場合は熱も出ず、いつも通りの生活ができました。 費用は実費です。クリニックによって様々だそうで、1回2万円前後。こちらを2ヶ月あけて2回受けます。保険適用外なので高額ですが、帯状疱疹で入院される方もいらっしゃるので、予防できることを考えると安心です。 |
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折茂 政幸
Masayuki Orimo ウェルネス宮前クリニック 院長 千葉大学大学院修了 医学博士 専門 循環器内科 ヒトの身体は自然の摂理に従っていると僕は考えます。 普段の食事や体を動かすこと、十分な睡眠と過度のストレスを避けることが健康にとってとても大切で、何気ない日常の積み重ねが普段の体調や病気のリスクに大きく影響します。 また、個々の特性、体質はそれぞれ異なりますから、他の方と同じ方法では改善しないことがあります。適切な医学情報をお伝えし、一人一人の体質に合った治療を目指しています。 |
2024.02.01