第3回ゲスト 麻生綾さん

第 3 回ゲスト
相沢まきさん
美容編集者・ビューティコンセプター・ビューティエッセイストとしての顔をお持ちの麻生綾さん。華やかなビューティの世界に彩りを添えるエディターとして30年ものキャリアを経た今。いつかは大学でマスコミ学や編集学の講師をしたいと未来の夢も語ってくださいました。お仕事について、そして美容編集者としてコンシダーマル世代の皆さんへ心強いメッセージもいただきました。
Q 美容編集者(エディター)になられたきっかけは?

私の母は料理研究家なんです。なので子供の頃からいつも自宅には出版社の編集者やライター、フォトグラファーがいらしてて。母は午前中に仕込みをし、午後1時くらいにライターとフォトグラファーを迎えて慌ただしく撮影を。それが落ち着いた夕方くらいになるとユルユルと編集担当の人がやってきて、最後にできあがったご飯だけ食べて帰る。だから編集の人って楽そうでいいなと思っていました(笑)。周りには料理研究家を継ぐの?と言われていましたが、私は子供の頃から雑誌を読むのも好きだったし編集者になると決めていて。高校1年の時には担任の先生に「私、編集者になるので上智大学の新聞学科に推薦してください。」とお願いしていました。結局、新聞学科は大学院まで行って修士号をもらって。一時は、学者、研究者の道も考えてみたりしましたが、婦人画報社(当時)に入社、初志貫徹で編集者の仕事を始めました。


Q 編集者として30年ものキャリアがあり、現在は、ビューティコンセプター、ビューティエッセイストとしての顔もお持ちの麻生さんですが、お仕事は具体的にどんなことをされるんですか?また最近では雑誌を買う機会が減り、殆どがウェブで情報を見る時代になりました。

編集者はプロデューサーに近いですね。一番好きな仕事です。タイトルも含めた全体の構成案を具体的な絵や言葉にしてコンテを書きます。どんな写真を撮りどんな順番で並べるかなどイメージしたものを入れて、フォトグラファーさんをはじめとする専門家に形にしてもらうんです。それを書いている時が一番楽しいですね。
そしてビューティコンセプター。例えば来年発売する商品があります、それをどんなふうに一般のお客様に伝えたらいいか、もしくはプレス(マスコミ)にどう伝えたらいいかなどの相談にのって実際にプレスリリース(情報)を作ることなどです。
さらに3つ目の肩書き“ビューティエッセイスト”。雑誌やウェブに寄稿する仕事です。これは私個人の“青年の主張”みたいなもの。現在はこの3本柱で仕事をしています。
現状、ウェブの記事は「情報」。紙の雑誌はこれから先、贅沢品になります。ですから「とっておきたいほど美しいもの」が求められるでしょうね。たぶん、インテリアに近いものになるのでそれに耐えうるクオリティが求められる。写真にしろ、文字にしろ。雑誌が唯一残る道はこういうことだと思います。スピード勝負のウェブには勝てないですから。


Q 最後に美容編集者としてコンシダーマル世代の皆さんへアドバイスをお願いします。

年齢を重ねると誰にでも訪れる更年期。辛い症状は我慢せず、どんな手段を使ってでも軟着陸を目指してほしいですね。ホルモン補充療法もその一つ。最近思うのは「愛とお金」以前に「健康」が、人の幸せにはマストだということ。まずは絶対に無理をせず、とにかく自分の心身の健康を確保しなければ。そこを精神論で乗り越えようとするのはナンセンス。あと何事もポジティブめに考えることですね。例えば昨今よく言われるコロナ太り。でもね、これをコロナグラマー「ゴログラ」っていう言い方にするの。いいじゃない、太った分、多少胸もふくよかになったでしょうって(笑)そんな感じ! それはそれで楽しもうじゃないですか。
麻生綾さん
1965年4月8日生まれ(56歳)

美容編集者/ビューティコンセプター/ビューティエッセイスト。女性誌の美容ページ担当歴は30数年。『25ans』『婦人画報』(ハースト婦人画報社)、『VOGUE JAPAN』(コンデナスト・ジャパン)にて副編集長を務めた後、 『etRouge』(日経BP)で編集長として敏腕をふるう。趣味も美容、ファッション好き。美味しいもの探しや、最近では鬱アニメ観賞なども。

麻生 綾 Instagram
3年前に明らかに化粧品の使いすぎで肌荒れを起こしました。化粧品が大好きだし、どの化粧品も魅力的に見えるから、次から次へとつけていたら肌が負けてしまって。そのときに皮膚科の先生に「あなたは化学物質を顔の上にのせすぎだ」と叱られました。それで人生初のシンプルケアに目覚めたんです。それまでオールインワンなんて認めない、手をかけなければ肌は……と信じていたけどそうではなかったんですね。肌が丈夫な人は何をつけてもいいと思うんですけど、私のように一度肌を壊した人や弱い人は丁寧に、数少なく、少数精鋭のものをお使いになることをおすすめ。コンシダーマルのラメラテクノロジーは素晴らしい技術。肌を立て直す基本だと思います。
撮影 萩庭桂太
取材・文 メールマガジン編集部