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立夏を迎える5月に 気をつけたい病気は? |
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初夏を感じさせる気持ちのいい気候が増える5月。 |
Q.
5月、特に注意すべき病気はなんですか?
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![]() 春は日によって天候や気温の変化が大きく自律神経に負担がかかりやすいため、「気象病」などの体調不良に注意が必要です。また、新年度になって環境変化が身体・精神的なストレスになるいわゆる「5月病」が有名です。「気象病」と「5月病」は医学的には正式な病名ではなく様々な体調不良の総称です。どちらも症状は似ていて、頭痛や倦怠感・疲労感、意欲の低下、不安や睡眠障害、下痢や便秘などの胃腸症状などがあります。 |
Q.
5月に風邪やインフルエンザが流行ることがあると聞きました。それはどうして?
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![]() 冬に風邪が流行するのは想像しやすいと思いますが、実は春も感染症が多い時期です。ウイルスによって活発になる時期が異なり、アデノウイルス(注1)は冬から夏まで風邪を引き起こしますし、ライノウイルス(注2)は春と秋に活発な時期があります。インフルエンザは冬に流行しますが1年中存在しますので、流行が過ぎた時期でも予防が大切です。先日も外来でインフルエンザの方が居ました。 (注1)プール熱や一般的な風邪症状、胃腸炎などを引き起こすウイルス。 |
Q.
食中毒のリスクが高くなる時期でもありますが、5月、特に気を付けるべき食品や衛生管理方法はありますか?
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![]() 気温や湿度が高くなると細菌が繁殖しやすくなるため、5月から徐々に細菌性の食中毒が増加します。逆にウイルス性の食中毒は減少します。細菌性食中毒の中で最も発生件数が多いのがカンピロバクターで、食肉全般、特に鶏肉に注意が必要です。75℃で1分以上加熱することで死滅しますので、食材にしっかり火を通すことが大切です。サルモネラ菌は鶏肉のほかに卵にも注意が必要です。加熱しても死滅しないウェルシュ菌・セレウス菌もいますが、調理後すぐに食べるのであれば無害です。調理後室温で放置するのは危険です。また、手にはブドウ球菌が付着していますので、調理前の手洗いと調理器具の消毒も忘れずにお願いします。 |
Q.
5月に熱中症のリスクも上がると聞きました。どのような予防策がありますか?
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![]() 熱中症は真夏のイメージが強いと思いますが、急に暑くなる5月にも発生します。冬の間に汗をかくことが少ないため、急な暑さに対して発汗がスムーズに機能せず熱中症のリスクが高まると考えられています。日傘や帽子などで直射日光を避け、衣服も通気や吸水性の良いもので暑さを調整する工夫が必要です。また、過度の運動に注意して、 水分補給も忘れずに 行って下さい。 |
Q.
5月にかかりやすい病気に関して、コンシダーマル世代が注意すべきことはありますか?
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![]() 基本となるのは食事や睡眠などの生活リズムを崩さないことです。 |
折茂 政幸 Masayuki Orimo ウェルネス宮前クリニック 院長 千葉大学大学院修了 医学博士 専門 循環器内科 ![]() 普段の食事や体を動かすこと、十分な睡眠と過度のストレスを避けることが健康にとってとても大切で、何気ない日常の積み重ねが普段の体調や病気のリスクに大きく影響します。 また、個々の特性、体質はそれぞれ異なりますから、他の方と同じ方法では改善しないことがあります。適切な医学情報をお伝えし、一人一人の体質に合った治療を目指しています。 |
2025.05.01
立夏を迎える5月に気をつけたい病気は?
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