第19回ゲスト ヴァイオリニスト 今尾千香さん「ま、いっか。」で生きること。 |
今回のゲストはヴァイオリニストCHICAさん。数々のトップアーティストとのストリングアレンジメント&プレイ、共演もされています。「ベテランの域に入っちゃって。」と笑うCHICAさん。サックス奏者のご主人との出会いはブロードウェイミュージカル。包容力があって温かいオープンマインドなCHICAさんの魅力に迫ります。 |
Q.CHICAさんが音楽の道へ進むきっかけとなったのは?
3歳の時、近所のお姉さんのピアノを弾いている姿がとても素敵でやりたいやりたい!って。でも母がピアノは高いからと、電子オルガンを買ってくれました。その後4歳からヤマハのエレクトーンをスタートしたんです。ヤマハにはJOCという作曲をするクラスがあって、5歳で学び始めました。エレクトーンを弾いていたものの、やっぱりピアノがやりたくなって始めました。今度はピアノのお姉さんの発表会を観に行ったとき、その横でヴァイオリンを弾いているお姉さんがいて、母にあれがやりたい!と。(笑)それで7歳からヴァイオリンを始めました。
Q.東京芸術大学音楽学科の器楽科へ進学されて。その道のプロになろうとされていたのですか?
芸大ではヴァイオリンを専攻したので副科でピアノは必須項目です。私はオケマン(オーケストラ楽団員)になりたくて、在学中に夏休みを利用してドイツへ勉強しに行ったこともありました。ドイツへ行った年に有名な指揮者のヘルベルト・フォン・カラヤンが亡くなってしまって喪に服したりしているその時に志高く、一番有名なベルリンフィルに入れたらと思ってアカデミアでレッスンを受けていたのですが、ドイツ音楽の気質が合わないと感じたんですね。例えば作曲家でもブラームスやベートーベンのようにしっかりした音楽を作っています。人も全体的に大きいというか。それでベルリンフィル志望はやめました。(笑)私は元々ヤマハのJOCから進んでいるので身に馴染んでいる音楽のジャンルはポップス。クラシックは後発隊です。大学の卒業後はJOCで学んだポップス路線の仕事に進みました。
Q.ヴァイオリンを始めて四半世紀ですね。
本当ですね。(笑)でも一向に上手にならない。だからこんなに長く続けていられるのかな?と思います。ヴァイオリンの上手さというのは、音色や譜面にはない間合いや溜めに感情が出てきたりするのが素敵なので、その微妙なニュアンスのようなものの伝わり方なのかなと感じます。だから一生勉強です。
Q.音楽はこの人とやってよかったというアーティストは?
やっぱり桑田佳祐さんは素晴らしかったです。ライブをする際に100曲くらい選んで、そこからふるいにかけて、最後に50曲ほどを選曲して、夜中にストリングスのアレンジのオーダーが来るんです。徹夜で譜面を仕上げて提出。実際に弾いてみて却下、ということもあります。でも桑田さんご自身が選曲、リハーサルをして、帰って音を聞き、各パートのアレンジを振るというのは、フロントである桑田さんも寝る間を惜しんで一番プロフェッショナルなお仕事をされているんですよね。すごいなって、プロ中のプロだと思います。最近では加藤登紀子さんとご一緒させていただきました。厳しく指導してくださって、緊張はしましたが、その分とてもありがたくてやりがいがありました。
Q.アレンジはどんな風に作られるのですか?
元々ある曲に対して肉付けをしていくという感じなんです。私がやっているのは弦楽器なので、音色をもうちょっと華やかにしたり、悲しくしたり。何度も原曲を聴きながらパズルのように音をはめ込んでいく感じです。その時はピアノを使います。私は器用貧乏で、ピアノや、ウクレレ、フルートやギターをやったりと楽器が好きなんです。そんなところからもヒントを得ていると思います。
Q.CHICAさんのマインドの整え方は?
「ま、いっか。」です。続けていたお仕事が終わってしまったりすると、自分もそうやってきたんだろうな、お仕事の上に自分が塗り替えてきた歴史があるから、私のお仕事も誰かが塗り替える時が来るんだと思うんです。だからそれを「ま、いっか。」と受け入れています。そして呑む!(笑)人間関係も色々複雑じゃない?でも、そこは深く触らない。あとは嫌なことがあったときに愚痴を言わないようにしています。愚痴ると周りの人が同調してくれるのね。そうするとその嫌なことが更に倍増していくの。だから(初めて再婚した笑)旦那さんにも愚痴らないですね。そんな時は一切音楽から離れてジョギングしながら景色を見たり、犬を撫でたりして発散しています。旦那さんの愚痴も同業者だから気持ちがわかってしまうので、同調しないように聞き流しています。(笑)
Q.音楽には人の心にとても影響を与えると感じます。CHICAさんは音楽でマインドへの変化を感じたことはありますか?
多幸感に包まれる時ってあるんですよね。ステージは緊張の連続だから楽しめるというのがあまりないのですが、でもたまに、ふわっと体が軽くなる瞬間があります。それはなんだろう?と考えると、自分の技術や音で、ということではなく、アーティストやプレイヤーからいただいているんです。例えばとてもいいパフォーマンスをしているプレイヤーの横で私も弾いていたりするとそれだけで「なんて幸せなんだろう」って感じることがあります。また、自分がプレイヤーではなく、観客として行ったときに涙することもありますね。最近だと渡辺貞夫さんのライブで感動しました。素敵な方が奏でる音楽は、きっと私たちを優しくさせたり、安心させたり、笑顔や輝きを与えるのかなと感じますね。
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CHICA(本名:今尾 千香) さん
1967年5月25日生まれ
東京芸術大学音楽学科 器楽科卒業 12月2日(金)CHICAプロデュース ◇コンシダーマルの感想
1本だけで肌が守られていると感じました。本来は化粧水を塗って、それが蒸発しないようにオイルや乳液を塗って・・・と重ね付けしますが、コンシダーマルのテクスチャーはさっぱりしているのに塗布するとしっかりと潤いを閉じ込めてくれます。化粧のりも良いですね。 |
取材 コンシダーマルメールマガジン編集部 撮影 萩庭桂太 |