1月は正月で酒が飲めるぞー!というお酒好きの方へ

1月は正月で酒が飲めるぞー!
というお酒好きの方へ

年末年始は楽しいお酒の席が多いですよね。前回はお酒が体に与える影響を教えていただきました。ちょっと怖くなってしまった方もいるのでは?太りやすい方、記憶をなくす方、頭が痛くなってしまう方など、楽しみたいのにその反面リスクも。とは言っても飲みたいよねーという方に折茂先生からプチアドバイスです。

Q.
編集部:お酒が身体に与えるのは悪影響ばかりだとわかりました。でもやっぱりお酒が好き。というかたへ、医師から飲むならこんなお酒がいいですよ、というのはありますか?やっぱりアルコール度数が一番重要?
アルコールの影響は純アルコールの総量で決まりますので、より身体に良いアルコール飲料はありません。

アルコールの分解速度と飲酒量の関係から言うと、アルコール濃度の低いものをゆっくり飲むのが理想です。酔うというのは分解が追い付かないアセトアルデヒドによる毒性作用なので、酔わない様に飲むのであればアルコールの悪影響は軽減できます。酔えないお酒は楽しくないかも知れませんが。
Q.
編集部:太らないようにお酒を飲む方法ってありますか?
アルコールの影響は別として、糖質を含まないお酒であればカロリー摂取を抑えることが出来るので体重の増加は気にしないで済みます。

焼酎やウイスキーなどの蒸留酒は糖質ゼロですので、ウーロン杯や炭酸水で割ったハイボールならOKです。一方、日本酒やワイン、ビールなどの醸造酒は糖質を含みますので、体重が気になる方は控えて頂くと良いです。
Q.
編集部:記憶が飛ぶのはどうして?
一時的記憶喪失(ブラックアウト)によるものですが、脳の側頭葉にある海馬がマヒすることで起こります。

海馬は記憶を管理している領域で、この領域が機能しなくなるためです。血中アルコール濃度が0.16%以上になると起こる可能性があります。これは法律が定める運転制限濃度の約2倍です。身の回りにも「よく記憶をなくす人」がいるかも知れませんが、実は誰でも起こる可能性があります。
Q.
編集部:お酒を飲んで暴れてしまう人ってどうして?
アルコールは脳の大脳皮質に主に作用します。

大脳皮質は理性を司っている領域ですので、理性の抑制が効かなくなります。ただし、暴れるほどというのは既にアルコール依存症の兆候かもしれません。「適度に飲む」を心掛けて下さい。
Q.
編集部:少量のお酒でも割れるほどの頭痛になってしまうのはどうして?
「アルコール頭痛」と言います。

アルコールは肝臓でアセトアルデヒドに分解されますが、アセトアルデヒドの毒性によって血管が拡張し、血管周囲に広がった水分が神経を圧迫することで頭痛が起こります。アルコールを分解する速度には個人差がありますので、分解が遅い人や短時間でアルコールを摂取すると起こりやすいです。
Q.
編集部:食べ合わせなどでアルコールを分解するからもう少し酒量を増やしても大丈夫?
まず、アルコールの吸収を遅くすることです。

空腹で酔いやすいのはアルコールの吸収が速いためですので、飲酒の前に何か食べておくと良いです。次に、アセトアルデヒドを分解するためにビタミンB1を消費しますので、ビタミンB1を多く含む肉類・魚類・豆類を摂っておくと良いです。ニンニクやタマネギはビタミンB1の吸収を高めるので一緒に摂ると効果的です。「ビールと枝豆」はアルコールとビタミンB1の組み合わせという点では理に適っていますが、途端にアルコールが分解できるようになる訳ではないですので、やはり飲みすぎにはご注意下さい。
Q.
編集部:お正月。みんなで集まっておせち。という方や、ぼっち正月を楽しまれている方もいらっしゃるのでは?是非、参考にしてみてくださいね。
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折茂 政幸
Masayuki Orimo
ウェルネス宮前クリニック 院長
千葉大学大学院修了
医学博士
専門 循環器内科
ヒトの身体は自然の摂理に従っていると僕は考えます。
普段の食事や体を動かすこと、十分な睡眠と過度のストレスを避けることが健康にとってとても大切で、何気ない日常の積み重ねが普段の体調や病気のリスクに大きく影響します。
また、個々の特性、体質はそれぞれ異なりますから、他の方と同じ方法では改善しないことがあります。適切な医学情報をお伝えし、一人一人の体質に合った治療を目指しています。