心に元気がないときの原因と対処法

心に元気がないときの
原因と対処法

ずっと景気が悪いと言われ続けている日本。目標や生きがい、やりがいが見つかりにくい昨今、折茂先生が診察で感じることは「世の中がうつ傾向」にあるということだそう。
医師の目から見て、なぜそのような状態にあるのか伺いました。

Q.
日々の診察の中で何かしらの精神的な負担を抱えている方が多いそうですが、どんな状態でしょうか?
1つは「心身症」といって、心理的なストレスの影響で身体に症状が現れた状態をいいます。血圧の上昇や不整脈などの循環器症状、喘息や長引く咳などの呼吸器症状、胃炎や過敏性腸症候群などの消化器症状、頭痛や皮膚の痛みなどの神経症状、蕁麻疹のような皮膚症状や泌尿器症状など様々な症状が現れますが、原因がストレスによって起こるものを言います。

2つ目は「病気不安症」です。「健康不安」とも言いますが、ちょっとした症状をきっかけに「何か大きな病気にかかっているのではないか?」といった不安に駆られる状態です。医療機関を受診しても検査で異常は見つからず、医師から異常が無いと診断されても安心できず、いくつもの医療機関を受診することになります。きっかけとなる症状は動悸や息苦しさ、頭痛やめまい感、倦怠感や不眠、吐き気や胃腸の調子が悪いなど様々です。
Q.
その原因はどんなところにあると感じられますか?
夫婦や友人関係、仕事上のプレッシャーや職場での人間関係、育児や受験など家庭内の出来事、高齢の両親の介護などの環境的な原因と、普段感じている原因のはっきりしない体調の不良が積み重なる身体的な原因があります。元々その特性は個々人で異なっているので、考え方が異なってもいいはずです。また、時代の移り変わりとともに世代の違いによってお互いの理解が難しいこともあります。
動物としてのヒトにとって現代の生活環境がすべてストレスと言えます。例えば、長期の休暇などで自然の中でリフレッシュして元気になったのに、コンクリートやアスファルトに囲まれた街の中に帰って来て毎日の生活を窮屈に感じている方も多いと思います。都市型の生活をしている方にとっては仕方のないことですが、その積み重ねが身体に大きな負担をかけています。また、テレビやインターネットを通して過剰な情報に晒されているのも注意が必要です。情報の正誤の問題もありますが、その情報が全ての方に当てはまる訳では無く、かえって不必要な情報に煩わされ「健康不安」を助長する可能性があります。
Q.
多様化や世代を通した考え方の違いによる人間関係のストレスは無意識に感じている方も多いと思います。そのストレスとの向き合い方はどうしたらいいですか?
多様性を受け入れることが大切です。
  1. 固定観念を持たない:思い込んでいることはないですか?
  2. 相手が自分と同じことを考えているとは思わない:広く耳を傾けてみてください。
  3. ○○すべきをやめる:物事に執着しない。
  4. 人それぞれでいいと思う:無条件に尊重しましょう。
  5. 自分だけの時間を確保する:たまにはとっておきのご褒美が必要です。
Q.
折茂Dr.からのアドバイスは。
お身体の調子が悪いと感じられているので、内科的な異常の有無については確認が必要です。異常がなければ命に関わる重大な病気につながることはないので、安心してください。繰り返し症状があっても大丈夫です。同じような症状や悩みを抱えている方はたくさんいて、自分だけじゃないと知るだけでも気持ちが楽になるかもしれません。何か(旅行やお気に入りの場所、スポーツ、趣味、食事などご自身に合っていること)をしている時、熱中している時など体調の不良を感じないことがあれば、できるだけそうした時間を多く過ごすようにしましょう。「大丈夫」を繰り返すことで自信が持てるようになりますからね。

・・・編集部より・・・

このストレス社会で私たちは常習的に不安を抱えたままです。必要なのは安心させてくれる言葉だったり、場所だったり、人だったり。折茂先生は「大丈夫」な時間を作るには、どんなことでもご自身が好き、という気持ちや安心できる、と感じられるものや時間を作ることが大切だとおっしゃいます。心に傷をつけてしまう前に、自分の「好き」を大切に過ごしていきたいですね。

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『教えて?折茂Dr.!』のコーナーでは皆さんからの質問、ご相談を募集しています。健康のお悩み、身体やお肌の心配事などお寄せください。
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折茂 政幸
Masayuki Orimo
ウェルネス宮前クリニック 院長
千葉大学大学院修了
医学博士
専門 循環器内科
ヒトの身体は自然の摂理に従っていると僕は考えます。
普段の食事や体を動かすこと、十分な睡眠と過度のストレスを避けることが健康にとってとても大切で、何気ない日常の積み重ねが普段の体調や病気のリスクに大きく影響します。
また、個々の特性、体質はそれぞれ異なりますから、他の方と同じ方法では改善しないことがあります。適切な医学情報をお伝えし、一人一人の体質に合った治療を目指しています。