冬に気をつけたい心臓の症状

冬に気をつけたい
心臓の症状
Q.
冬になるとよく心臓の病気に気をつけましょうと言われます。それはどうして?
最も影響が大きいのは気温の低下です。寒さで血管が収縮すると血圧が上がります。血圧の上昇は全身の血管と心臓に負担をかけるため、狭心症や心筋梗塞、不整脈、心不全の発症に繋がります。実際に、春夏に比べて冬には心臓発作や心不全などによる入院が1.5倍に増加します。また、入浴前の脱衣や暖かい部屋から寒い屋外に出る時など急な温度変化による心臓発作、いわゆるヒートショックにも注意が必要です。
Q.
コンシダーマル世代で気をつけたい心臓病は?
  1. 血圧上昇:若い頃に血圧が低い方でも血圧が変動しやすくなる年齢です。
  2. 不整脈:更年期に伴いホルモンバランスの変化から不整脈が増加します。
  3. 微小血管狭心症:動脈硬化がそれほど問題ない方でも起こる狭心症です。
  4. 閉経後脂質異常:女性ホルモンの減少によりコレステロールが上昇しやすくなります。脂質異常は狭心症や心筋梗塞の発症リスクを高めます。
Q.
どんな症状が出るの?
  1. 肩こりや首のこり感、頭重感、体熱感、顔面のほてり感など。
  2. 動悸あるいは胸部・みぞおちの不快感、脈が飛ぶような感じ。
  3. 安静にしている時の胸痛あるいは胸部圧迫感・不快感。
  4. 脂質異常だけでは自覚症状はありません。運動時の胸痛・胸部圧迫感は狭心症が疑われます。
Q.
その症状が出た時の注意点は?
  1. 定期的に血圧を測って頂くことが望ましいです。
  2. どんな時に起こり易いか、動悸の持続時間などをメモしておくと診察の際に役立ちます。
  3. 精密検査が必要ですので、早期に受診をお願いします。

心臓疾患に罹らない
ようにするには?

室温管理と体温調節:衣服やエアコンの温度設定で室内外の温度差を少なくする。
食事管理:脂質と糖質が過剰にならない様に注意。
規則的な生活と睡眠時間の確保:過労やストレスは血行障害の原因になります。
定期的な運動:症状の早期発見のためにも普段からトレーニングを。
折茂 政幸 
Masayuki Orimo
ウェルネス宮前クリニック 院長
千葉大学大学院修了
医学博士
専門 循環器内科
ヒトの身体は自然の摂理に従っていると僕は考えます。
普段の食事や体を動かすこと、十分な睡眠と過度のストレスを避けることが健康にとってとても大切で、何気ない日常の積み重ねが普段の体調や病気のリスクに大きく影響します。
また、個々の特性、体質はそれぞれ異なりますから、他の方と同じ方法では改善しないことがあります。適切な医学情報をお伝えし、一人一人の体質に合った治療を目指しています。