コロナ禍での花粉症。気をつけることは?

早くも発症した花粉症。今年の花粉の量は去年の1.8倍だそう。
元々アレルギーがある方は症状で花粉症だとわかりますが、今年花粉症を発症してしまった方はコロナウイルスとの見極めも難しいかも?

まずは花粉症の症状はどんなものがありますか?
そしてコロナの症状と比較した時のその違いを教えて?

「花粉症」とは本来あまり体に悪影響がない 花粉に対して免疫が過剰に反応してしまうもの です。一方、コロナウイルス感染症は 免疫本来の外敵に対して働く正常な免疫反応 です。どちらも免疫反応ですので症状が似ているのも当然ですね。
鼻汁の分泌は共通しますが、花粉症ではサラサラした水状、感染症ではやや粘り気のある鼻汁になります。
また、花粉症では眼や喉の奥の痒みが特徴です。ウイルス感染症では発熱、咳や痰、倦怠感が出ます。コロナウイルスの場合はほぼ無症状という方がいますが、眼や喉の痒みは非常に稀です。

花粉症の時期。鼻をかんだり、目が痒くてつい粘膜を触りがち。
コロナウィルスは粘膜からの感染もあると聞きます。こんな時はどうしたらいい?マスク・うがい・手洗いの他に感染予防の方法も教えて?

花粉症では、 マスクやゴーグルの装着、花粉の付きにくいポリエステル素材の衣類の着用などが有効 です。これはコロナウイルスにも共通します。可能であれば、鼻をかむ・目をこする前に手指の消毒が望ましいです。また、例年は花粉症の症状が軽く服薬しない方でも、今年は抗アレルギー薬を使用し痒み自体を抑えて、鼻や眼に触れないようにすることも重要です。

花粉症を楽にする方法を教えて?

花粉を避けることが一番ですので、 風の強い日や晴れた日の午後~夕方など花粉の多い時の外出に注意 して下さい。在宅勤務で外出の機会が減っている方は症状が軽くて済む可能性があります。鼻や咽頭の粘膜が乾燥すると粘膜のバリア機能が低下しますので、積極的に 室内の加湿 をすると良いですね。
また、腸は免疫器官と言われ免疫反応の調節に関わっていますので、 腸内機能を高めるため食物繊維を多く摂る ように。逆に、脂肪や動物性蛋白質を多く摂ると腸内環境は悪化します。また、アルコールは血管を拡張してアレルギー症状を悪化させますので、 この時期だけ禁酒して頂くのも効果的で す。

折茂 政幸 Masayuki Orimo ウェルネス宮前クリニック 院長
千葉大学大学院修了
医学博士
専門 循環器内科
ヒトの身体は自然の摂理に従っていると僕は考えます。
普段の食事や体を動かすこと、十分な睡眠と過度のストレスを避けることが健康にとってとても大切で、何気ない日常の積み重ねが普段の体調や病気のリスクに大きく影響します。また、個々の特性、体質はそれぞれ異なりますから、他の方と同じ方法では改善しないことがあります。適切な医学情報をお伝えし、一人一人の体質に合った治療を目指しています。