その肌荒れ、実は秋枯れ肌でもなく、内臓の病気が隠れているかも?

その肌荒れ、
実は秋枯れ肌でもなく、
内臓の病気が隠れているかも?

その肌荒れ、実は秋枯れ肌でもなく、内臓の病気が隠れているかも?

皮膚は唯一触れる臓器と呼ばれています。内臓の働きによって現れる肌トラブルってあるの?教えて?折茂Dr.!

Q.
内臓の疾患で肌に現れる症状を教えてください。

肌トラブルは肌だけの問題なくではなく内臓疾患が原因ということもあります。肝臓と腎臓の機能が低下すると、肌のかゆみ、シミ・くすみ、色素沈着、眼球の充血や目の下のクマなどが起こります。重度の動脈硬化では血行障害による冷え性や色素沈着、皮膚潰瘍になることがあります。また、食事で過剰に摂取したものが原因ということもあり、コレステロールの過剰摂取では上瞼にしこりのような塊(眼瞼黄色腫)が沈着します。カロテン(ビタミンA)の過剰摂取では掌や尿が黄色くなります。

Q.
それはどうして起こるのですか?

肝臓や腎臓は老廃物を処理する工場のような働きをしていますので、処理が間に合わず蓄積すると皮膚に症状が出てきます。ビリルビンという黄色い色素が過剰になると「黄疸」といって顔や手が黄色くなります。胆汁酸が過剰になると肌のかゆみを来します。腎臓は水分や電解質の調整を行っていますので、肌の乾燥やかゆみ、色素沈着、瞼や足の浮腫み、爪の異常などがみられます。糖尿病でも乾燥やかゆみ、肌が感染症にかかりやすくなるなど多くの原因になります。

Q.
皮膚科に行くべきか内科に行くべきかの判断はどこですれば良いですか?

内臓疾患による皮膚症状は、皮膚科領域の疾患の頻度と比較して多くはありません。また、先ほど述べた肌への影響は糖尿病や肝臓・腎臓などの基礎疾患がある程度進行した状態で起こりますので、健康診断で少し数値が高いと指摘されたとしても過度に心配はしなくて大丈夫です。先ずは皮膚科で診察を受けて、皮膚科の先生から内臓疾患による可能性が考えられるという診断であれば内科を受診して下さると良いと思います。

Q.
治療方法は?

重度の内臓疾患にならないことが必要ですので、治療というより予防が大切です。定期的な健康診断を受けて、軽度の異常のうちから糖尿病をはじめとする生活習慣病の対策を行ってください。高血圧症や糖尿病は腎臓を悪くしてしまう一番の原因です。肝臓はアルコール摂取や脂肪肝によって機能が低下しますので、アルコールを控えて内臓脂肪が蓄積し過ぎない様に体重管理をお願いします。

Q.
おすすめの漢方薬を教えてください。

内臓疾患を治療するものではありませんが、皮膚症状に対して使用する漢方薬です。
急性の湿疹には「消風散」、発赤や充血が強いときは「黄連解毒湯」、乾燥によるかゆみには「当帰飲子」、皮膚感染症には「荊芥連翹湯」や「十味敗毒湯」、ストレスで悪化する皮膚症状には「加味逍遥散」などを単独使用あるいは併用します。

・・・編集部より・・・

ご病気が隠れている場合には、基礎化粧品では改善しないことがあります。

お肌の様子がいつもと違うな?と感じた場合は皮膚科や内科などの専門医を訪ねるといいですね。漢方薬は市販のものでも大丈夫だそうですが、医師の処方を受けると用量が違うそう。より効果を求める場合は医師に相談しましょう。

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折茂 政幸
Masayuki Orimo
ウェルネス宮前クリニック 院長
千葉大学大学院修了
医学博士
専門 循環器内科
ヒトの身体は自然の摂理に従っていると僕は考えます。
普段の食事や体を動かすこと、十分な睡眠と過度のストレスを避けることが健康にとってとても大切で、何気ない日常の積み重ねが普段の体調や病気のリスクに大きく影響します。
また、個々の特性、体質はそれぞれ異なりますから、他の方と同じ方法では改善しないことがあります。適切な医学情報をお伝えし、一人一人の体質に合った治療を目指しています。