更年期世代の性生活について(パート1)

更年期世代の性生活について
(パート1)

今回はご愛用者さまからのリクエストにお応えしてちょっと切り込みにくい話題「更年期世代の性生活」について。
ちょうど1年前に「男性更年期」についてお話ししていただきました。

「更年期障害」というのは女性だけのものではないということは近年周知してきたことだと思います。コンシダーマル世代の私たちは夫婦、カップルでこの更年期における性生活とどう向き合うのがいいか、心理的、肉体的の両面を折茂医師へ伺います。

◆男性更年期障害の症状についてはこちら。
https://considermal.jp/beauty-navi/dr202206/

Q.
更年期を理由に私たちは性生活から離れがちな方が多いのでは?

更年期以降はエストロゲン(女性ホルモン)の減少により膣粘膜が萎縮してしまいます。粘膜が萎縮することで膣分泌液が減少し、性交時の痛みや細菌感染の原因になります。また、パートナーに上手く伝えられず性交痛を繰り返すと精神的ストレスとなり、ますます性生活から遠ざかってしまうことになります。また、糖尿病や甲状腺疾患などが膣炎の原因となることもあります。

Q.
男性の場合はどうですか?
一方、男性では30歳代後半から徐々にテストステロン(男性ホルモン)が減少し、性欲の低下やED(勃起障害)の原因となります。日本人男性のデータでは40歳以上で約35%がEDという報告があります。原因として動脈硬化や高血圧、糖尿病、肥満などによる血行障害もありますが、夫婦仲や仕事のストレスなどの精神的要因が最多と考えられています。男性更年期を理由にせず夫婦仲の良好に保つ、仕事のストレスを溜めない工夫が重要です。
Q.
メンタルを整えることが重要なのですね。ではテストステロンを増やす方法は?
免疫機能が正常で上記の通り男性更年期障害はEDの一因ですが決定的な要因ではありません。10代でもEDを自覚している方もいますし、反対に70歳代でお子さんを持たれる方もいます。テストステロンは平均的には年々減少しますが、ほとんど減少しない方もいて個人差が大きいと考えられています。成功体験や社会的な評価によりテストステロンは分泌量が増え、「社会性ホルモン」と言われています。テストステロン濃度が低下し、何らかの症状があることが男性更年期障害の診断基準ですので、新しいことに挑戦し、困難を乗り越え、周囲から評価されることでテストステロンを増加させ、体力の低下や抑うつ気分に負けない精神状態がEDに陥らない秘訣です。
Q.
テストステロンの分泌は女性にはないのですか?
実は、女性も副腎や卵巣から年齢に関係なくテストステロンが分泌されます。「社会性ホルモン」として働くのは男性同様ですので、リーダーシップを発揮してバリバリと仕事をしている女性、いわゆる「男勝り」の方はテストステロンの分泌が多い可能性があります。また、女性が更年期を迎えてエストロゲン(女性ホルモン)が減少し、相対的にテストステロンが増えることによって性欲が強くなるという方もいます。

ちょっと興味深いホルモンバランスのお話。更年期世代の性生活について、次回へ続きます。

・・・編集部より・・・

更年期世代、男女とも性生活との向き合い方をどうするか、ちゃんと考えたいですね。パートナーへの理解も大切なことですね。お互いの体の変化があることを受け入れて、寄り添うことも大切ですね。

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折茂 政幸
Masayuki Orimo
ウェルネス宮前クリニック 院長
千葉大学大学院修了
医学博士
専門 循環器内科
ヒトの身体は自然の摂理に従っていると僕は考えます。
普段の食事や体を動かすこと、十分な睡眠と過度のストレスを避けることが健康にとってとても大切で、何気ない日常の積み重ねが普段の体調や病気のリスクに大きく影響します。
また、個々の特性、体質はそれぞれ異なりますから、他の方と同じ方法では改善しないことがあります。適切な医学情報をお伝えし、一人一人の体質に合った治療を目指しています。