健康診断の 結果の見方を教えて? 平均値なら心配ないの? |
Q.
年に一度、健康診断を推奨されているので、受診しています。でも結果の見方がよくわかりません。コンシダーマル世代が気をつけたい数値の変化はどんな項目ですか?
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先ずは血圧です。それまで血圧が低かった方でも、特に遺伝的な要因(ご両親が高血圧など)がある場合には40代半ばころから血圧が上がり始めます。また、閉経に近くなるとLDLコレステロールが上がり始めます。 |
Q.
更年期で起こりやすい検診結果は?
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Q.
閉経を迎える頃に悪玉コレステロール値(LDL)が上昇してしまうのはどうして?気をつけることも教えてください。
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女性ホルモンのエストロゲンにはLDLコレステロールを下げる働きがありますので、更年期のエストロゲン低下でLDLコレステロールが上がり始めます。LDLコレステロールの上昇は動脈硬化の原因になりますので、①食事での脂質摂取が多くならない様に②体重を増やさない様に③既にLDLコレステロールが高い場合は、医療機関で現在の動脈硬化の状態を検査することが望ましいです。 |
Q.
健診の際、血液検査の結果が全て平均値の中にあれば安心ですか?
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健康診断で検査している項目で分からないことがあります。一つは、女性ホルモン値は調べませんので、更年期に関する体調の不良は確認できません。また、中年期の女性に多い膠原病(こうげんびょう)も評価できませんので、気になる症状があれば医療機関で検査が必要です。 |
Q.
それぞれの項目の関連を教えてください。
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A ASTやALTなどの肝臓の数値は、アルコール性肝炎や脂肪肝などで悪化します。中性脂肪が高い、急に体重が増えたなどの際には、肝臓に問題が無いか確認が必要です。 クレアチニンや尿素窒素は腎機能の指標ですが、これらの数値が悪い場合は血圧・血糖値に問題がある場合があります。また、腎機能の低下で尿酸値が上がります。 コレステロールはLDLとHDLのバランスが重要です。LDLのみが非常に高い、反対にHDLが基準値を下回っていないかを確認して下さい。 |
Q.
その他、健診でオプションもあります。コンシダーマル世代が受けた方がいいのはどんな検査ですか?
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血液検査のみでは、胃や大腸などの消化器疾患(ガンなど)を確認することが出来ません。腫瘍マーカーも確実ではありませんので、内視鏡での検査が必要です。高血圧症や糖尿病、脂質異常症がある方は動脈硬化が懸念されますので、50歳前後で脳血管のチェックを行っておくと安心です。婦人科健診は必須です。特に家族に乳がん・子宮がんの方がいる場合には毎年検査をお願いします。 |
折茂 政幸 Masayuki Orimo ウェルネス宮前クリニック 院長 千葉大学大学院修了 医学博士 専門 循環器内科 ヒトの身体は自然の摂理に従っていると僕は考えます。 普段の食事や体を動かすこと、十分な睡眠と過度のストレスを避けることが健康にとってとても大切で、何気ない日常の積み重ねが普段の体調や病気のリスクに大きく影響します。 また、個々の特性、体質はそれぞれ異なりますから、他の方と同じ方法では改善しないことがあります。適切な医学情報をお伝えし、一人一人の体質に合った治療を目指しています。 |