第20回ゲスト ヘアメイクアップ アーティスト 今野真樹さん「コンプレックスが強みになる」 |
Q.今野さんがヘアメイクアップアーティスト(以下ヘアメイク)を始められたきっかけは?
山形の実家は美容室を営んでいて、母が結婚式の和装・洋装もしている美容師なんです。子供の頃からよく手伝いに行って美容師さんになりたいと思っていました。でも、当時からアトピー性皮膚炎(以下アトピー)が酷くて、パーマやカラー剤などの薬剤が肌に負担になってしまうので美容師は断念せざるを得なかったんです。そんな中、小学生の頃にヘアメイクさんが主人公の漫画があって「こんな仕事があるんだ」と知り、それなら私のような体質でもなれるかも!と思ったのがきっかけでした。
Q.ヘアメイクになるまで紆余曲折あったそうですね。
本当はヘアメイクの学校へ進みたかったのに、父の大反対を受けて、上京するために出された条件が秘書科の専門学校へ行くことでした。仕方なくそのまま進学・卒業して就職。経理に配属されて3年ほどOLをやっていましたがそれでもヘアメイクへの夢は諦めきれず、会社勤めをしながら夜間学校へ通いました。その後、技術を身につけるためにブライダルのアルバイトで面接した時の社長がチャンスを与えてくださり、そちらの事務所の芸能部門に入れていただきました。アシスタントに着き、たった1ヶ月ほどで「お前はOLの経験と一般常識もあって言葉遣いもちゃんとできる。あとは技術だから自分で仕事を取って覚えなさい。」と放り出された先が大手芸能プロダクションだったんです。制作の方に私の作品集を見せていたら、たまたま通りかかった敏腕マネージャーの方の目に留まって「じゃあ、うちのタレントやってみる?」という経緯から一気にそのプロダクションのお仕事をいただけるようになって、ありがたいことに他の事務所の方にもご縁が繋がり現在に至ります。
Q.ヘアメイクをされながら、実は生まれ持ったアトピーでとても苦労されたそうですね。
物心がついた頃には、症状が出ると薬(ステロイド)を使っていました。高校生の時に気付いたことがありました。アトピーが出てステロイドを塗るとあっという間に引きますが、二日後にはまたブクブクと荒れるんです。その繰り返しで血管が見えて、皮膚が薄くなったのを感じました。当時はネットがなかったので本屋さんで情報を集め、子供の頃から長年ステロイドを使い続けていた私だから副作用が酷かったんだと知りました。それから薬断ちをしたんです。するとリバウンド症状は出ますが徐々に慣れていきました。その後上京してOLからヘアメイクへの道を模索していた23歳の頃、酷いアトピー症状が現れて、薬の離脱症状で全身が痒くて腫れ上がり、体液も滲み出る状態になってしまいました。シャワーも東京の水が痛くてまともに浴びられず、一度しっかり治さなければヘアメイクになれないと思い、一旦実家の山形へ帰り、漢方の先生に教えてもらった漢方薬と食事療法を実践してみました。
Q.3ヶ月半の間、肌はどんな状態でしたか?
父に毎日包帯を巻いてもらっていました。本当に酷い状態だったので体液で服がくっついてしまって、それが乾くと剥がすのがまた辛くて。23歳と言ったら年頃ですし、父からの遺伝だったので俺のせいでごめんねと泣かれるし、どん底まで落ち込みました。でも、今度は悔しくなってきて「絶対に治そう!」という気持ちに切り替わりました。だからしっかりと食事療法や漢方も続けることができたんですね。すると、3ヶ月半でまるで脱皮するかのように、みるみる普通の肌が生まれてきたんです。
Q.今はとてもキレイなお肌ですね。
今ではこうすれば改善する、というのがわかっているので当時ほど酷くはなりませんが、疲れたり、仕事で食生活が乱れたりするとアトピーが出てしまうので、また食事療法や大好きなサーフィンなどをして自分自身で身体の様子を見ながら、上手に付き合っています。
Q.そんな経験や健康美容食育士の立場から、肌荒れやアトピーで悩まれている方にアドバイスをお願いします。
・積極的に摂ると良いもの → 食事は和食に。VC、VD、亜鉛、マグネシウムなど。
・摂らない方がいいもの → 小麦、乳製品、カフェイン、砂糖など。 また、アトピー体質の人は腸の動きが弱く、便秘で排出しきれないものが毒素となって肌に出てしまいます。肌荒れ、ニキビは内臓の炎症だと言われています。良いものを入れることばかりではなく、きちんと水分も摂り、毒素を外に出す。運動をして代謝アップするのも大切です。すぐに治したい気持ちはわかるのですが、身体はちゃんと応えてくれます。長い目で見たら薬に頼るよりも、こちらの方が近道だと私は実感しています。焦らず、じっくりと自分の身体の様子を見ながら付き合ってみてください。 Q.心の持ち方は?
症状が酷くなって荒れてしまうとさらに気分の落ち込みが激しくなり、人と会いたくない、見られたくない、そんな思いから自信がなくなるので自己肯定感が低くなります。言いたいことを我慢する我慢癖もアトピーの症状に影響します。
私は友達が支えてくれましたが最近では人に頼ってばかりじゃダメ、自分自身で褒めて認めてあげようと、鏡に向かって「よくできた、私は大丈夫。大丈夫。大丈夫!」って。症状が酷かった23歳の時も鏡に向かって「絶対に治す!」って言霊で暗示をかけていました。 Q.ご自身の辛い経験から同じような悩みを持つ方の言葉で感じられたことがあったそうですね。
私を指名してくださるタレントさんや女優さんは私の体質を知ってくれているので助かっています。ある日、優香ちゃんに「肌荒れしちゃってるんだけど、何かいい化粧品ないかな?」と相談されたんです。私の経験からアドバイスをしてあげると「真樹ちゃんが言ってくれるなら安心だね。」という言葉のお陰で、長年感じていたコンプレックスから解放されました。そうか、私にしかわからなことってあるんだ。これは強みになるんだ!と思えるように。アトピーとの付き合い方はバランスが必要。食事だけではなく、スキンケアや心の持ち方も大切ですね。
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今野 真樹さん
1972年10月13日生まれ
合同会社kokoro 代表 ◇コンシダーマルの感想
私のようなアトピー肌はバリア機能が少なく、とても乾燥している状態なので先に化粧水で肌を湿らせてからコンシダーマルを塗布するとグングン広がって、荒れている場所でも痛かったり沁みたりせずに浸透するのを感じました。アトピーはセラミドが足りない肌質です。私は自分の状態によって重ね付けしていますがコンシダーマルは使えば使うほどちゃんと必要な水分を中に溜めてくれているというのを実感するようになりハリが出てきました。これ1本あればさらにオイルやクリームを塗る必要はありませんね。 |
取材 コンシダーマルメールマガジン編集部 撮影 萩庭桂太 |
2023.01.01